（ヴェンツェル印刷所、19〜20世紀）
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（２） その他 （d'autres images pieuses） |
１．聖女アガタの札 (Agathazettel, lettre de Ste-Agathe)
（ヴェンツェル印刷所、19〜20世紀）
２月５日は聖女アガタの日である。伝説によれば、シチリア島生まれの彼女は、当地のローマ長官の求愛を拒んだために、両胸を切り取られてしまう。しかし、聖ペテロが彼女のもとに現れ、その傷を癒してくれたとされている。そこから聖女アガタは、母乳の出の悪い母親の守護聖女とみなされるようになり、また、魔女の攻撃から牛の乳を守ってくれる聖女と考えられるようになった。こうしたことから１９世紀末まで、アルザスの農家では、アガタのお札(Agathazettel, la lettre d'Agathe)と呼ばれる護符が家畜小屋や納屋などの戸の内側に貼られていた。護符の中央の上の部分に聖女が描かれ、手には切り取られた二つの胸を載せた皿を持っている。その両脇には花飾りのついた心臓が描かれており、その中には、人々に安らかな死を与えてくれるようにと聖女に宛てたお祈りの言葉が書かれている。