レオン・エルシャンジェール Leon ELCHINGER (1871-1942)
スフレンハイム(Soufflenheim)で、1834年から作陶を始めた一家に生まれる。1887〜1888までドイツのグレンツハウゼン(Grentzhausen)の陶器学校に学び、1889〜1891までストラスブールの美術学校に学ぶことで、テクニックを学び、ヨーロッパの芸術の流行に触れる。1893年に故郷のスフレンハイムに戻ると、父フィリップとともにアトリエを共同経営し始める。彼は、伝統的な焼物を製作する一方で、アール・ヌーボーの影響を受けた、装飾的な焼物を制作する。1920年代からは、宗教的な彫像作品を作り始める。サン・レオナールの会のメンバー。また、レオンの後を継いだのがフェルナン(Fernand、1911〜1975)で、1926年からベルギーの美術学校、ストラスブールの美術学校、ドイツの美術学校に学んだ後、1934年からアトリエの経営を行った。彼の作品には、ふつう[Elchinger Fils]のサインがある。
20世紀初頭の作品。トンボのモチーフや幾何学的文様などに、アール・ヌーボー、アール・デコなどの影響が見られる。白地の上半分に彩色を施し、底に草文様を施しているのが、この時代の特徴である。
1905−1910年の作品。松ぼっくりは代表的なモチーフの一つであった
1920−1925年の作品
アルザスをモチーフにした小皿(左は1925年ごろ、右は1930年ごろ)
この小箱は、1922年の日付もあることから、ある代母が贈物用に依頼して作らせたものと考えられる。
聖女オディール(アルザスの守護聖女)の聖水盤
女性の頭のある花瓶、Vase aux tetes de femmes (1903年頃)